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国民健康保険は適用される控除が少ない

国民健康保険料には地域差があるものの、所得がそれほど多くない人でもかなり高額な負担になる傾向にあります。

高齢化社会の到来で医療費が増大しているなか、年金生活者や無職の方も多く加入している国民健康保険は慢性的な赤字状態になってますので、自営業で多少でも収入があれば、負担額が大きくなる傾向にあります。

この国民健康保険が高くなった理由として、「所得割」について適用される所得控除が少なくなったことがあげられます。

これは平成25年度に、住民税の額に応じて払う「住民税方式」ではなく、各種所得控除前の所得で計算される「旧ただし書き方式」(所得方式)に全国的に1本化されましたので、所得税や住民税とは違い、適用される所得控除が基礎控除の33万円分ぐらいしかなくなってしまいました。

このため、扶養控除や小規模企業共済、医療費控除などの各種控除は国民健康保険には適用されず、事業所得(事業収入-必要経費)から基礎控除の33万円のみを差し引いた金額で計算されますので、所得が数百万程度でも高額な負担となってしまうケースが多いです。

また、健康保険料が会社との折半になるサラリーマンとは違い、個人事業主が加入する国民健康保険は全額負担となりますので、自営業者の方の負担が高額化する傾向にあります。

この国民健康保険料は目的別に以下の要素で構成されています。

このそれぞれについて所得割などで計算して合算しますが、地域によっては「資産割」や「平等割」がないケースもあり、自治体によっての地域差があります。

メインとなるのが所得に応じて決まる所得割になりますが、自営業である程度の所得規模があれば、上限額まですぐに達してしまうことが多いです。現在のところ、それぞれをすべて合わせた上限額は89万円ですが、月になおせば7万円程度にはなりますので、場合によっては家賃や食費よりも高額な負担になるかもしれません。

国民健康保険に有効な節税対策はあまりない

所得税や住民税については「所得控除」を増やすことで節税できますが、国民健康保険料の「所得割」の計算には一般的な所得控除が適用されないため、節税対策をしてもあまり意味がありません。

例えば、事業所得で600万円だったとして、医療費控除で200万円、小規模企業共済で80万円、年金追納・後納で120万円、国民年金基金80万円、扶養控除や社会保険控除モロモロで120万円ぐらい、合計600万円の所得控除があったとします。

すると、課税所得がゼロとなり、所得税や住民税については均等割の部分を除いてほぼ非課税となります。

ところが、国民健康保険料にはこれらの各種控除が適用されず、基礎控除の33万円しか控除されませんので、ほぼ600万円まるまるの所得レベルで計算されてしまい、実質的な所得がなかったとしても、ほぼ上限での保険料負担がかかってきてしまいます。

所得税や住民税での課税所得はゼロで税金はかからないのに、国民健康保険料については上限の年間89万円程度かかることになってしまいます。

自治体によって地域差がありますので、これは極端なケースではありますが、所得税や住民税には通用する節税対策が国民健康保険料についてはあまり効き目がありません。

このように、国民健康保険の場合は適用される所得控除が限定的ですので、保険料を抑えるためには元の課税所得の部分をできるだけ低く抑えるしか方法はありません。

一方で上限も決まっていますので、年収1,000万円の人も年収1億円の人も上限以上にはかからないため、稼げば稼ぐほど負担割合は低くなっていくと考えてもよいでしょう。

この健康保険料を安くするには、法人成りをして自分の給与を低く設定し、協会けんぽなどに切り替えることをおすすめします。

標準報酬月額を20万円程度に設定すれば、健康保険料が月1万円程度で済みますので、年間で50万円ぐらいは安くなるはずです。その分、法人税や会社負担分、あるいは厚生年金などの負担が高くはなりますが、シミュレーションをして検討されてみるとよいでしょう。


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