クラウドソーシングで業務を委託して外注化

法人を設立した際、会社ホームページの作成や会社ロゴの作成、チラシの作成、あるいは社名のネーミングなど、自分ではスキルがなくて対応しきれない分野もあるかと思います。

そのような場合、一般的には専門業者に依頼する形になるかと思いますが、最近ではスキルやノウハウを持っているフリーランスの個人にネット上で仕事を委託するケースも多くなってきました。

ネット上の不特定多数の群衆(crowd)から調達する(sourcing)という意味で「クラウドソーシング」などと呼ばれてますが、「仕事を発注したい会社」と「仕事を探している個人」のマッチングサイトを利用して仕事を外注することができます。

日本で人気のクラウドソーシングサイトを比較

日本で知名度の高い人気のクラウドソーシングサイトには以下のものがあります。

デザインやアプリ開発、プログラミング、ロゴやチラシなどの画像編集、動画編集、ライティング、キャッチコピー、翻訳、事務作業、ウェブ制作、データ入力、あるいは仕入れの代行など、多種多様な仕事がネット上で募集されています。

概ね、画像関係ならPhotoshop、ウェブ制作ならWordPress、あるいはデータ入力ならBUYMAでの商品登録など、募集されている仕事には一定のパターンがあるかもしれません。また「ライティング」に関しては、上記サイト以外にもライティングに特化したクラウドソーシングサイトがネット上に無数に存在します。

中小企業庁によると、このクラウドソーシングサイトの登録者数が急速に増えてきており、今後も更なる増加が予測されているとのことです。

クラウドソーシング推移

(※参照:第5章 新しい潮流 ―課題克服の新しい可能性― - 中小企業庁

上記のようなマッチングサイトを利用して、必要な仕事のみをピンポイントで発注すると業者に委託するよりもコストを削減することができます。

ただし、フリーランスは個人によってスキルのレベルがまちまちなため、納品の品質については不安定な傾向があるかもしれません。

また、法人の業者に委託する場合の「アウトソーシング」と比較すると、個人に依頼する「クラウドソーシング」の場合はリスクも伴います。重要な業務については法人の業者に発注し、個人には簡単な作業のみを委託するなど、必要に応じてアウトソーシングとクラウドソーシングを使い分けることをおすすめします。

フリーランスの個人に業務を委託する際のリスク

当サイト運営者の場合、まだ上記のような大手クラウドソーシングサイトが登場していなかった頃、ネット上のライター募集の掲示板にてライティングを個人の方に委託していたことがあります。

当時は健康食品のレビューサイトを運営しており、ウェブデザインやライティングなどを数名のフリーランスの方に依頼していましたが、残念ながら、いずれも満足のいく納品ではありませんでした。

特にライティングに関しては、納品されたコンテンツから特定のキーワードを抜き出してネット上で検索すると、他サイトとほぼ同じ内容がヒットすることも多かったです。語尾を変えただけの他サイトのコピー、あるいはオフラインの書籍から拾ってきた納品などもあり、これらをチェックするのに時間を要したため、結局は全て自分で対応することにしました。

その8年後ぐらいにキュレーションメディアのWELQ騒動なども発生していましたが、個人に委託する場合は納品の信頼性の面で少なからずリスクはあるかと思います。また、データ入力などの場合は情報流出などの面での懸念もあるかもしれません。

ただし、最近は上記のような大手クラウドソーシングサービスが登場してきたため、個人の実績や評価などを確認してから発注できるようになり、以前と比較すると委託しやすくなってきたと感じています。

以前に東京五輪のエンブレム騒動が話題になりましたが、プロの業者に委託する場合でも信頼性の面でのリスクは多かれ少なかれ必ずありますし、フリーランスの方で責任をもってお仕事をされている方も多いです。業務を外注化する場合、クラウドソーシングで個人に委託することも選択肢の一つとして検討されてみることをおすすめします。