個人事業主向けクレジットカード比較

銀行口座と同様、クレジットカードについても「個人事業用」と「プライベート用」に分けておくことをおすすめします。

一般的なクレジットカードの場合、事業性のある決済は利用規約で禁止されていることもあるため、事業で高額な経費の支払いをする際には個人事業主向けのビジネスカードを使用することをおすすめします。また、たとえビジネスカードであったとしても、換金性の高い商品を転売目的の「仕入れ」で使用すると規約違反となる可能性があります。クレジットカード枠の現金化が疑われてしまうような使い方には十分ご注意ください。

万一、クレジットカードの利用が停止となった場合、その後のビジネスへの影響が大きいため、利用規約を守って使用するようにしましょう。

個人事業用のクレジットカード一覧

ビジネス用途のクレジットカードには、「個人事業向け」や「法人向け」、「法人代表者向け」などいくつかの種類があります。

このうち、個人事業主に最適なクレジットカードとしては以下のものがおすすめです。

三井住友ビジネスカードfor Owners

三井住友ビジネスカードfor Owners

個人事業主向けの三井住友VISAカードには「三井住友ビジネスカードfor Owners」があります。

三井住友ビジネスカード for Owners

法人カードの場合は申込者が法人になりますが、こちらのカードは個人事業主や会社オーナーなど「代表者個人」に発行されます。個人事業主が事業用の三井住友VISAカードを申し込む際には、こちらの「for Owners」と書いてあるビジネスカードを申し込むとよいでしょう。

券種には「クラシック」、「ゴールド」、「プラチナ」があり、クラシックの場合の年会費は1,375円(税込)で利用することができます。(※初年度の年会費無料)

こちらは登記簿謄本や決算書などが不要なため、本人確認資料のみで簡単に申し込みをすることができます。

一般的な個人カードとあまり変わりませんが、個人事業用の口座から経費を引き落とすことにより、経費の管理が簡単になるメリットがあります。事業主個人の「プライベート用」と「ビジネス用」でクレジットカードは分けておくとよいでしょう。

また、デビットカードと比較すると、口座からの即時引き落としとは違い、利用料金が実際に口座から引き落とされるまでに時間的な余裕があります。1回払いでも最長56日後の支払いとなるため、キャッシュフローに余裕を持つことができます。

接待などで外食費の支払いをする際、デビットカードでは心もとない面がありますので、こちらの「三井住友ビジネスカードfor Owners」を一枚持っておくと安心です。

EX Gold for Biz S

Orico 公式サイト
→ EX Gold for Biz

エグゼクティブ ゴールドフォービズ

オリコの「EX Gold for Biz(エグゼクティブ ゴールドフォービズ)」には個人事業向けと法人向けの2種類があり、「S」の対象が個人事業主、「M」が法人代表者向けとなっています。こちらはビジネスカードとして定評があり、年会費2,200円(税込)で利用することができます。(※初年度無料)

年会費2,200円(税込)でも空港ラウンジを無料で利用できるなど、お得な会員特典が充実しています。

また、当サイトでもご紹介しているクラウド会計ソフトとも相性がよく、クレジットカードを登録しておくことで記帳処理が自動化されるため、記帳にかかる手間が軽減されます。

こちらのオリコの「EX Gold for Biz」でクラウド会計の「freee」を利用する場合、標準プランが通常より3ヵ月分お得になるなどの特典がありますので、チェックされてみるとよいでしょう。(※この会員特典を利用するには、オリコの公式サイト上から申し込む必要があります。)

楽天ビジネスカード

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楽天ビジネスカード

一般的な楽天カードには「楽天カード」と「楽天ゴールドカード」、さらにその上位に「楽天プレミアムカード」があります。

楽天プレミアムカード

これらは特に事業用のビジネスカードではありませんが、上記の「楽天プレミアムカード」に追加する形で事業用の「楽天ビジネスカード」を利用することができます。

  • 楽天カード
  • 楽天ゴールドカード
  • 楽天プレミアムカード
        ┗ 楽天ビジネスカード(※付帯カード)

そのため、ビジネスカード単体では発行することができず、楽天プレミアムカードの付帯カードとして発行してもらう形になります。2つのカードで支払い用の口座を分けることにより、プライベートと事業用で経理処理を分けることができます。

事業用の経費の支払いでも楽天ポイントが貯まるほか、空港ラウンジのプライオリティ・パスに無料で登録できるなどのお得なメリットがあります。

お申し込み対象は「20歳以上で安定した収入のある法人代表者様(会社登記上、代表権を有する方)、および個人事業者の方」となっており、個人事業主の方でも申し込むことができます。

法人の場合は法人口座、個人事業主の場合はプレミアムカードとは別の個人名義口座を設定し、プライベートと事業用で分けておくとよいでしょう。

アメリカン ・エキスプレス・ビジネス・カード

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アメリカン ・エキスプレス・ビジネス・カード

アメリカン・エキスプレス・カードには、提携カードのセゾン・アメックスとブランド本体発行によるプロパーカードの違いがあります。こちらはプロパーカードになるためステータス性は抜群です。

年会費は「13,200円(税込)」となっており、「個人事業主」もしくは「法人格のある代表者」として申し込みができるビジネス専用のカードになります。ビジネスカードのため、年会費は会計上、事業の経費として計上することができます。また、空港ラウンジについても国内外29の空港で利用することができ、カード会員のほか、搭乗券を持っている同伴者1名も無料で利用することができます。

そのほか、スタイリッシュなメタル製のビジネス・ゴールド・カード(年会費34,100円)やビジネス・プラチナ・カード(年会費143,000円)もあります。

一方、セゾンアメックスのプラチナ・カードについては年会費も比較的安く設定されています。アメックスのプラチナカードを利用したい場合、下記の「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード」も検討されてみることをおすすめします。

セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード

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セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード

セゾンのアメリカン・エキスプレスカードにはいくつかの種類がありますが、ビジネス用には「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カード」があります。

こちらは一般の方でも申し込みができるため、特に経営者限定というわけではありませんが、個人事業主や会社経営者に最適なカードとなっています。一般的に「プラチナビジネスカード」は「ゴールドカード」よりも上位クラスとされていますので、クレジットカードにステータスを求める方は、こちらのプラチナビジネスカードを選択されるとよいでしょう。

年会費は一般的なクレジットカードよりも高めの22,000円(税込)となっていますが、プラチナビジネスカードのなかでは利用しやすい年会費といえます。さらに、年間200万円以上をショッピングで利用すると次年度の年会費が11,000円(税込)になるため、事業の経費として年間200万円以上を使用されている方はオトクに利用することができます。

料金の引き落としは個人名義の口座のほか、会社の「法人名義口座」でも設定ができますが、法人名義口座の場合は「代表者名が併記されたもの」に限られます。会社名のみでの口座では設定できないため、個人名義の口座で設定されるとよいでしょう。

ラグジュアリーカード

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→ ラグジュアリーカード

日本でマスターカードのブランドを選択される際は「ラグジュアリーカード」がおすすめです。

「Luxury Card」は平成28年に日本に上陸したばかりですが、「BLACK CARD LCC」が米国で発行している富裕層向けの金属製クレジットカードです。日本でのカード発行は株式会社アプラス(新生銀行グループ)を通じて行われています。

美しい上質な金属製カードである点に特徴があり、さらにマスターカードの最上位クラスである「World Elite Mastercard」を日本で初めて採用しているため、ステータス性を求める方はこちらが最適といえるでしょう。

一般的なカードでは、ゴールドカードよりもブラックカードの方が上位ですが、こちらのラグジュアリーカードはゴールドカードが最上位となっています。

表面が24金でコーティングされている「ゴールドカード」が最上位、次に「ブラックカード」、「チタンカード」の順序となっており、いずれもMastercard最上位である「World Elite Mastercard」が採用されています。

まずはチタンカード年会費:55,000円(税込)からはじめてみるとよいでしょう。

法人口座決済用カードについては、お申込み対象が「満20歳以上の法人代表者もしくは個人事業主の方」となっており、引落口座を個人事業用の口座に設定することで経費に支払いに活用することができます。

ライフカードビジネスライト

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ライフカードビジネスライト

ライフカードのビジネス用には、「ライフカードビジネス」と「ライフカードビジネスライト」があります。

両方の違いについてですが、「ライフカードビジネス」は発行対象が「法人または個人事業主」であるのに対し、「ライフカードビジネスライト」は「法人代表者・個人事業主」となっています。そのため、ライトの方は法人や個人事業の代表者個人が契約するタイプのクレジットカードになります。

公式サイトには「スタートアップ企業・フリーランスの方も」との記載がありますので、開業したばかりの個人事業主の方は「ライフカードビジネスライト」を選択されるとよいでしょう。

券種にはスタンダードとゴールドカードがあり、スタンダードの場合は年会費が無料です。

ただし、スタンダードカードは付帯保険や空港ラウンジ、ポイントサービスは利用できないため、必要最低限のシンプルなカードになります。

その点、ゴールドカードなら空港での無料ラウンジが利用でき、1,000円につき1ポイントでポイントも付与されます。また、年会費も2,200円(税込)と利用しやすいため、ゴールドカードの方が特典内容が充実しています。ゴールドカードでも初年度年会費は無料のため、出張などでよく空港を利用される方はゴールドカードを選択されるとよいでしょう。

SBS Executive Business Card

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→ SBS Executive Business Card(※受付終了)

こちらは三井住友カードとSBS(スマートビリングサービス株式会社)が提携して発行しているビジネスカードになります。対象者は法人代表者と個人事業主となっており、2017年8月1日から開始された新しいカードになります。

上記の「三井住友ビジネスカード for Owners」をベースに、SBS(※スマートビリングサービス株式会社)の独自の特典が提供されており、「SHARES」にて士業の専門家に依頼する際のキャッシュバックや、海外出張でWiFiを利用する際の割引などを会員特典としてお得に利用することができます。

こちらの年会費はクラシックカードが「10,000円+税」、ゴールドカードが「35,000円+税」となっていますが、充実したサービスを利用したい方はこちらも検討されてみるとよいでしょう。

P-one Business Mastercard

ポケットカード株式会社のビジネスカードには「P-one Business Mastercard」があります。

契約は個人事業主、または法人代表者による個人契約となっており、事業に関わる用途に使用することができます。

公式サイト
P-one Business MasterCard

P-one Business Mastercard

発行ブランドはマスターカードで初年度年会費が無料、次年度についても前年度にカードの利用があれば無料となります。(※前年度にカードの利用がない場合は年会費2,200円(税込)

また、従業員カードの追加発行も5名まで可能となっており、そちらは代表者カードの利用可能枠から差し引く形での利用となります。

この「P-one Business Mastercard」の特徴は、一般的なビジネスカードとは違い、キャッシング利用可能枠が設定されている点にあります。審査によりますが、利用可能枠が最大300万円までとなっているため、急な資金需要にも柔軟に対応することができます。

キャッシング枠の総量規制については、法人代表者の場合は年収の3分の1に制限されるものの、「個人事業主」の場合は一定の要件を満たすことにより、総量規制の例外として借入れをすることができます。

銀行や政府系金融機関からの借入れと比べるとキャッシングの金利は高めではありますが、「新規ご入会特典」として優遇金利が設定されているケースもあります。

上記の公式サイトにてチェックされてみるとよいでしょう。

ネット上のオンライン決済にはデビットカードも便利

デビットカードはクレジットカードとほぼ同じように使えるものの、利用料金が銀行口座の残高から即時に引き落とされるため、カード発行の際の与信審査などは特にありません。個人事業用の銀行口座を開設していれば、VISAなどのデビットカードを発行してもらうことができます。

PayPay銀行ではカードレスの番号のみで発行してもらえるデビットカードもありますので、ネット上での決済に不安がある場合など、安全面から定期的にカード番号を変更しておく際にも便利です。

また、このデビットカードは飲食店などオフラインの実店舗でもほぼ問題なく使えます。

ただし、世間一般では、デビットカードはクレジットカードを作れない人向けのカードというイメージがありますので、大変便利ではあるものの、あからさまには利用しずらい風潮があります。

そのような側面もありますので、デビットカードに加え、クレジットカードも発行しておくことをおすすめします。