収入印紙は租税公課で経費にできる

印紙税法により、契約書や領収書などの課税文書を作成した際には印紙税を納める必要があります。この印紙税を納めるには、課税文書に収入印紙を貼付して消印をすることで納付します。

また、この印紙税は事業税や登録免許税などと同じように「租税公課」の勘定科目で経費にすることができます。

一般的には消印をして使用した時点で経費にするため、収入印紙を購入したまま未使用の段階では「貯蔵品(資産)」の扱いになります。ただし、購入時に一括で租税公課に計上しておき、期末に使用していないものがあれば貯蔵品に切り替えるなどの方法もあります。

いずれにしても、決算時に未使用の収入印紙は経費にしないようにしましょう。

似ているものに切手がありますが、こちらは郵便料金の通信費用の支払いになるため、納税のための収入印紙とは性質が異なります。また、運転免許の更新などで見かける収入証紙もありますが、こちらは各自治体で全廃や一部廃止の方針になってきており、最近はあまり見かけなくなりました。

  • 収入印紙 → 税金の納付
  • 切手 → 郵便料金(通信費用)の納付
  • 収入証紙 → 各自治体で廃止の方針

この収入印紙は郵便局で購入することができますが、1部のコンビニなどでも販売されています。

収入印紙を貼る必要のある課税文書

この印紙税の課税文書には、第1号から第20号まで以下の種類があります。

  1. 不動産等の譲渡、地上権又は土地の賃借権の設定又は譲渡、消費貸借、運送に関する契約書 (第1号文書)
  2. 請負に関する契約書 (第2号文書)
  3. 約束手形又は為替手形 (第3号文書)
  4. 株券、出資証券若しくは社債券又は投資信託、貸付信託若しくは特定目的信託の受益証券(第4号文書)
  5. 合併契約書又は吸収分割契約書若しくは新設分割計画書(第5号文書)
  6. 定款 (第6号文書)
  7. 継続的取引の基本となる契約書 (第7号文書)
  8. 預貯金証書 (第8号文書)
  9. 貨物引換証、倉庫証券又は船荷証券 (第9号文書)
  10. 保険証券 (第10号文書)
  11. 信用状 (第11号文書)
  12. 信託行為に関する契約書 (第12号文書)
  13. 債務の保証に関する契約書 (第13号文書)
  14. 金銭又は有価証券の寄託に関する契約書 (第14号文書)
  15. 債権譲渡又は債務引受けに関する契約書 (第15号文書)
  16. 配当金領収証又は配当金振込通知書 (第16号文書)
  17. 金銭又は有価証券の受取書 (第17号文書)
  18. 預貯金通帳、信託行為に関する通帳、銀行若しくは無尽会社の作成する掛金通帳、生命保険会社の作成する保険料通帳又は生命共済の掛金通帳  (第18号文書)
  19. 第1号、第2号、第14号又は第17号文書により証されるべき事項を付け込んで証明する目的をもって作成する通帳 (第19号文書)
  20. 判取帳 (第20号文書)

参考:)課税文書の取扱い

主に、領収書(金銭の受取書、第17号文書)や契約書、法人成りした際に作成する定款、あるいは役員貸付金などで作成する金銭消費貸借契約書などが該当します。それぞれ印紙税の金額が違っており、定款などは4万円などと非常に高額なものの、一般的な領収書に貼付する場合は200円程度です。

ちなみに、当サイト運営者は収入印紙を貼り付けてしまいましたが、事務所(建物)の賃貸借契約書については不課税文書とされています。

建物の賃貸借契約書 不課税文書

ただし、この場合でも敷金の金銭受領などの記載がある場合は課税文書になるなど複雑ですのでご注意ください。

税抜き5万円未満の領収書は非課税

一般的な領収書の印紙税額は5万円未満は非課税となっています。平成26年3月31日までは3万円未満が非課税とされていましたが、平成26年4月1日から変更になりました。

そのため、5万円未満の場合は収入印紙を貼る必要はありませんが、5万円以上100万円以下で「200円」、100万円を超え200万円以下で「400円」の印紙を貼る必要があります。

領収書(売上代金の受取書)の印紙税額

  • 5万円未満非課税
  • 5万円以上、100万円以下 → 200円
  • 100万円を超え 200万円以下 → 400円
  • 200万円を超え 300万円以下 → 600円
  • 300万円を超え 500万円以下 → 1千円
  • 500万円を超え1千万円以下 → 2千円

以下、省略。

100万円を超える場合はほとんどないかと思いますので、概ね「200円」と考えておけばよいかと思います。

営業ではない場合は非課税

ただし、「営業」に関しない金銭の受取書は非課税となっています。この営業というのは、営利を目的として同種の行為を反復継続して行うことになりますが、普通の個人が不用品を誰かに1回だけ売った場合などは営業には当たらず、印紙を貼る必要はありません。

「税抜」で5万円

ちなみに、上記の金額は税込なのか税抜なのかについてですが、領収書の消費税は税抜で5万円未満の場合は非課税となります。税込みでは5万円以上となっても課税されません。ただし、単に5万円などと記載されている場合は消費税額分が判然としないため、この場合は貼る必要があります。

国税庁の以下のページなどをご参考ください。

参考:)No.7124 消費税等の額が区分記載された契約書等の記載金額

次に、金銭の領収書に、「商品販売代金48,000円、消費税額等3,840円、合計51,840円」と記載したとします。この場合、消費税額等の3,840円は記載金額に含めませんので、記載金額48,000円の第17号の1文書となります。したがって、記載金額が5万円未満(平成26年3月31日以前に作成されたものについては、3万円未満)の領収書は非課税文書となりますので、印紙税は課税されません。

領収書に収入印紙を貼らなかったらどうなる?

課税文書に収入印紙を貼付した上で消印をしてなかった場合、ペナルティーとして「過怠税(かたいぜい)」を納めることになります。税務調査が入った際などに貼り忘れの領収書が発覚するケースが多いかと思います。

通常の税金のように加算税や延滞税は課されませんが、過怠税は「当初に納付すべき印紙税の額の3倍」を納めることになるため、延滞税などよりも重いペナルティーになります。

また過怠税は経費にすることができませんが、「本来の額(1倍)」+「過怠税(2倍)」=「3倍」とはなりません。「本来の額(1倍)」+「ペナルティー(2倍)」=「過怠税(3倍)」となるため、本来の額も含めて全て経費にすることができません。

例えば、1万円の収入印紙を貼り忘れていた場合、合計で3万円を納付することになり、このすべてが過怠税となり経費にすることができなくなります。ただし、貼り付けていたものの消印を忘れていた場合には、既に貼り付けている分があるため、その同額についてが過怠税となります。

ちなみに、自主的に不納付を申し出たときの過怠税は3倍ではなく、1.1倍に軽減されます。

ネット上の書き込みを見てみますと、実際には3倍のケースはあまりないようですし、医師や歯科医師、弁護士などは収入印紙の貼付を免除されており、よくわからない税金ではあります。いずれにしても印紙税法で決まっている以上、課税文書を作成した時点で収入印紙を貼付して消印をしておく必要があります。