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役員報酬の増額・減額変更の手続き

役員報酬の減額手続きについて税理士の先生にきいたところ、税務署への報告は必要なく、社会保険関連で年金事務所へ連絡すればよいとのことでした。

役員報酬を減額してもすぐに社会保険料が安くなるわけではなく、3ヶ月分の役員報酬を実際に支給した後に年金事務所に報告し、それから標準報酬月額が改定されて保険料が下がるため、しばらくは社会保険料が高いままの状態になるかと思います。

何だか損した気分ですが、逆に翌年度に高くした場合は改定されるまで保険料が安いままで済むようです。

この年金事務所への届け出は「こちらのPDF」に書いて送付すればよいと思います。議事録や賃金台帳なども同封しておけば問題ないでしょう。
※PCもしくはスマートフォンからアクセスして下さい。

ただし、この「随時改定」については、固定賃金の変動であることや従前の標準報酬月額との間に3か月連続で「2等級」以上の差があることなどの条件があります。

基本的に1等級の場合は届け出をしなくてもよいですが、等級の上限や下限にわたる変更の場合はどんなに大きく報酬額が変動しても1等級しか変わらないため、随時改定の対象となっています。

1等級分の違いでも年間で考えれば保険料負担にけっこうな差があるため、保険料据え置きというのは不可解な面もありますが、そういう制度になっているようです。

役員報酬改定後、実際に社会保険料が改定されるまでの期間

気を付けたいのは「支払いベース」で3ヶ月分を払ったあと、最後の3か月目の翌月に改定となりますので、月末締め翌月払いの場合は注意が必要です。

例えば、当サイト運営者の場合、役員報酬は月末締めの翌15日払いなのですが、7月末決算のあと、8月の役員総会で役員報酬額の改定を決定し、9月分の報酬(翌10月15日払い)から減額することにしました。

なので、9月分(翌10月15日支給)と10月分(翌11月15日支給)、そして11月分(翌12月15日支給)の3ヶ月目で11月末に役員報酬を未払い計上したあと、12月はじめの時点で申請したのですが、電話がかかってきて訂正してくれと言われてしまいました。

これは給与の支払い日ベースで計算するようなので、会社の人件費として計上した「9〜11月」で3ヶ月とカウントするのではなく、実際に支給した月の「10月〜12月」で3ヶ月となるようです。なので、月額変更届にも支給した月で記入する必要があります。

この「10月〜12月」の3か月分の給与で変更の対象となれば、次の1月から新しい標準報酬月額が適用されますので、保険料が実際に安くなる月は翌年の1月分(翌2月末までに支払う保険料分)からになるようです。

つまり、9月分報酬(10月15日払い)から減額し、標準報酬月額が改定されたのが翌年の1月分になります。そして、一般的には当月分の保険料を翌月末までに納付することになるため、実際に保険料の支払いが安くなったのが翌2月(1月給与分の社会保険料)でした。

会社によって「翌月徴収、翌月納付」、「当月徴収、翌月納付」などの違いがあるかと思いますので、これとは違うケースもあるかもしれませんが、当サイト運営者の場合は上記のような形になりました。

改定時期は事業開始年度から3ヶ月以内

役員報酬の改定時期については事業年度の開始の日から3ヶ月以内です。私の場合は合同会社のため、社員総会にて改定決議をして議事録を作成しましたが、株式会社の場合は株主総会を開いて決議することになるはずです。

ここで出てくる疑問は「期首の初めの月から改定できるのか?」という点です。

例えば、3月末決算で4月1日から新しい事業年度が開始される場合、4月分の報酬から変えてしまうのは可能なのかという疑問です。役員報酬の改定には総会での決議が必要になりますので、5月に株主総会を招集する場合などは間に合わないはずです。

この点についてですが、一般的には改定決議をしたあとの最初の役員報酬の支給日から変更するため、仮に4月末締めの翌5月15日払いで、5月10日に総会で改定決議をした場合などは、最初の支給日が到来する5月15日(4月分の報酬)から変えてもよいかと思われます。

けれども、5月20日に改定決議をした場合などは、5月15日の支給日は過ぎていますので、次の支給日にあたる6月15日(5月分の報酬)から変更すべきです。期首から変更する場合には、改定決議をはやめに済ませておくとよいでしょう。

役員報酬を業績不振などの理由で止むを得ずに減額する場合はあまり関係ないとは言われていますが、一般的には、決算後、新しい年度が始まって3か月以内に変更しておく必要があります。

役員報酬の減額以外で業績不振に対応するには?

個人会社で業績が不振の場合、役員報酬を減額して対応することになるかと思いますが、減額した後に急に業績が回復してきた場合、会社の利益が増える分、法人税の負担が大きくなってしまいます。

かといって下げずに対応して業績が回復してこなかった場合、社会保険料を高い水準のままで納めることになってしまうため判断が難しいところかと思います。

個人的な印象では、役員報酬を減額すると会社にお金が残ってしまう傾向にあり、このお金を会社から引き出すには翌年度に役員報酬を増額する必要が出てきてしまうため、月額変更などの手続きで非常に面倒くさいです。

なので、どちらかというと役員報酬は高いままにしておき、会社よりも社長個人の手元にお金を残しておく方がよい気がいたします。会社の資金が不足してきた際には、社長個人が会社に貸付けるなどして対応した方が手間がかからないかと思われます。

あるいは、もらった役員報酬のなかから一定額を会社に貸付けておけば、社会保険料に変わりはありませんが、実質的に減額したのと同じことになるはずです。

例えば、支給された100万の役員報酬のうち、50万円をそのまま会社に貸し付ければ、実質的に役員報酬が半額になると思います。

仮に役員の人件費が多くかかって赤字になったとしても、赤字額は繰り越すことができますので、業績が回復してきても損をすることにはならないかと思われます。


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